23 2015

その志望動機で大丈夫!?受かる志望動機の作り方

10月に実施した面接のセミナーで、志望動機についてのお話をしました。当日のレジュメには良い例・悪い例(実際には受かる志望動機・落ちる志望動機という極端な名前が付いていましたが)を載せました。

ただ、たった30分間という短い時間でしたので、ほとんど解説ができませんでした。本当は志望動機だけで30分は話ができるほどネタがたくさんあります。

そこで、やり残した解説をブログ上でやってしまおうと思います。ただ、30分語る内容を文字に起こすとざっと8000文字くらいになるでしょうか。原稿用紙にして20枚程度ですね。読んでいる人が疲れますし、何より私が書いている最中で飽きます(←)

5分程度で読めるような、簡潔な内容にしていきます(予定)。


落ちる志望動機とは


セミナーでも言いましたが、これを言ったから落ちる、なんていうNGワードは存在しません。

例えば、「受かりそうだから良いと思いました」と言ったとしましょう。確かに印象はアレですが、ぶっちゃけみんな受かりそうだから受けたんでしょ?と言われたら否定はできませんよね。素直すぎるのは問題がありますので、もう少しオブラートに包むべきでしょうが、これで落ちるなんてことはありません。

面接は試験です。学力試験と異なり、正解はありません。しかし学力試験と同様、得点を稼いでいかなければ落ちるのも事実。「落ちる志望動機」と表現したのは、「得点を稼げない志望動機」という意味であり、結果的に落ちるかもよ?といいたい訳です。

さて、本題にいきましょう。下の文がセミナーで紹介した「落ちる志望動機の例」です。

落ちる志望動機の例


私は御校の勉強しやすい環境や教育方針が自分に合っていると感じました。また、入試説明会に参加したとき、校長先生の説明がとても丁寧で分かりやすく、先輩方も優しそうで、御校に入学すれば楽しい高校生活を送ることができそうだと思ったので、志望しました。



自分で考えておきながら、酷い志望動機です。予備知識の無い中学生に書かせると、このような志望動機を必死に書き上げてきます。

そこで聞いてみたい。


君、どこの高校受けるの?


ある意味、どれだけ志願変更をしようが何も影響が無い志望動機です。これなら安心して志願変更できますね。褒めてませんよ。

何がいけないのか、簡単に解説してみます。
まずい部分を赤くしてみましょう。

私は御校の勉強しやすい環境教育方針が自分に合っていると感じました。また、入試説明会に参加したとき、校長先生の説明がとても丁寧で分かりやすく先輩方も優しそうで、御校に入学すれば楽しい高校生活を送ることができそうだと思ったので、志望しました。


ほとんど真っ赤です。

◇勉強しやすい環境◇
高校は勉強をする場所ですから、普通勉強しにくい環境自体が存在しません。塾に来て「塾は勉強しやすいね」というようなものです。そりゃそうでしょ、としか言えません。

おおかた、商業施設が近くにない=誘惑が少ない、ということを言いたいのでしょうが、山の中に存在する高校(何校かありますね)の生徒の大半は同じ事を言うのでは無いでしょうか。無個性もいいところですね。

◇教育方針◇
パンフレットを見るだけでも教育方針の内容がわかります。説明会に参加をすれば、直接入試担当の先生や校長先生から説明があるはずです。

内容に触れず、「教育方針」なんて持ち出しても説得力がありません。教育内容と、自分が勉強したい内容がいかに合っているのかを具体的に説明しなければいけません。

受験生が勘違いしやすいのは、面接試験は「自分の事」を話す場であって、高校を褒め称える場ではありません。褒めても何もでませんよ。

◇校長先生の説明がとても丁寧で分かりやすく◇
本当でしょうか?(笑)

説明会ですから、わかりにくいはずがありません。実際に校長先生がおっしゃった内容が含まれていない限り、説明会に参加した、のくだりは不要です。せっかく説明会に出たならば、校長先生が何とおっしゃっていたかを言わなくては。

◇先輩方も優しそうで◇
きっと裏切られることでしょう。説明会の場に出てくる生徒は優等生ばかり。また、熱心に部活動をやっている先輩は、将来的な部員の確保が第一です。そりゃ、優しく接してもくれるでしょう。

せっかくですから、その中の1人をクローズアップして、エピソードの1つでも入れてみてはいかがでしょう。

◇楽しい高校生活を送ることができそうだと思った◇
当たり前です。何をもって「楽しい」かは人それぞれですが、充実した勉強ができるのも楽しさの1つ。文化祭が楽しみなのも良いでしょう。部活動をやるのも、課外活動に精を出すのも高校生活の楽しみです。こういった事が1つも具体的に示されていないのはよろしくありません。


受かる志望動機とは


ポイントは「具体性」と「独自性」


本来、志望動機は替えの効かないものです。受験生にとって、その高校が「唯一」の選択肢であることが理想的です。自分がベストな高校生活を送ることができるのはココしか無い!という事が伝わらない限り、受かる志望動機になるとは言えません。

そこで必要なのが、「具体性」と「独自性」です。

具体性=正体を明らかにすること、と考えてください。具体性を高めていくと、その高校に「だけ」通用する志望動機が出来上がってきます。この「○○だけ」が独自性です。唯一無二の高校である事を強調するためには、この2つの視点がいかに盛り込まれているかが重要なのです。

受かる志望動機の例


具体性やら独自性やら漠然と言われても分かりませんよね。では、まさに具体的な例を挙げてみましょう。

私は「国際的な競争力をもつ人を育てる」という教育方針と、週に6コマ英語の授業があるカリキュラム構成に魅力を感じ、御校を志望しました。入試説明会に参加させて頂いた際、先輩が英語でスピーチをしている姿を見て、生徒を伸ばす英語教育が行われている事を実感できました。私は、中学時代に取り組んだボランティア活動を通じて、世界の恵まれない人々、特に子どもたちに貢献できるような仕事を志すようになりました。そのためには実戦的な英語力が欠かせません。御校では英語の授業が英語で行われると伺いました。授業を通してコミュニケーション能力を伸ばし、AL講座も積極的に受講して、将来国際的なステージに立つ準備を整えていきたいと考えています。



先ほどの悪い例に具体性を持たせたものです。では解説しましょう。

◇「国際的な競争力をもつ人を育てる」という教育方針◇
教育方針の内容を挙げています。志望動機の中盤以降で、なぜ自分がこの教育方針に賛同しているのか、理由も述べています。この時点で、この受験生にとっては「ココしか無い」選択肢になっていると言えます。

◇週に6コマ英語の授業があるカリキュラム構成◇
ポイントは「数字」です。「英語の授業が多い」というより、「週に6コマある」と言った方が、より授業が多い事を強調できます。もちろん、面接官は高校の先生ですから、百も承知です。しかし、そこまで高校のことを研究しているんだ、という印象を持たせるため、そして綿密な準備を整えてきたというアピールのために、「数字」というデータは大変有効です。

◇先輩が英語でスピーチをしている姿◇
これは、「説明会に参加していないと分からない内容」です。パンフレットで見た情報だけでなく、印象に残ったことを具体的に語ることで、より高校へ興味・関心があることが伝わります。

ここではあまり深く扱っていませんが、スピーチのテーマや主な内容、自分の感想などを付け加えると更に良いものになるでしょう。

◇中学時代に取り組んだボランティア活動◇
さりげなく積極的な課外活動をしたことをアピールしています。特に、新しい入試制度に変更されて以来、ボランティア活動は評価の対象になりません。これは点数化されないことを意味します。

評価されないものに積極的に取り組んだ、この事実が「受験のためにやっている感」を薄め、本当に評価される対象になる、ともいえます。英検や漢検も同様ですが、得点にならない今こそ、周りと差別化するポイントになるでしょう。

◇子どもたちに貢献できるような仕事◇
将来の夢を明示しておくと説得力が増します。将来の展望と必ずしも合致しない場合もありますが、高校側としては将来につながるからこそ高校はココ!という選び方をして欲しいはず。

ここではボカして書いていますが、もっとピンポイントで職業名を挙げてもよいでしょう。基本的な考え方としては、できるだけ具体的に絞られていた方が良いと考えてください。

◇英語の授業が英語で行われる◇
これは、教育方針をより具体的に表した内容の1つです。この受験生にとってテーマは国際性=英語教育です。テーマに沿った内容を深く掘り下げて調べることで、こういったフレーズを盛り込むことができます。

授業内容については、パンフレットより入試説明会で語られる事の方が詳しかったりします。ICレコーダーで録音するなり、必死にメモを取るなりして、極力説明内容をいつでも参照できるように心がけてください。

ベストは実際に通っている生徒に聞くこと。可能な限り探してください。

◇AL講座◇
具体的な講座名を挙げましょう。ほとんどの学校で少人数クラスを掲げていますが、正式名称を志望動機に盛り込むのがオススメです。当然ツッコミが飛んでくることが考えられますので、講座の中味についてもある程度の下調べが必要です。

パンフレットを写しただけの薄っぺらい内容だと、追い打ち的な質問に対応できませんのでご注意を。

ちなみにAL講座とは、ActiveLearningの略称です。週に1回、ネイティブの先生も交え、英語の本や映画、音楽を題材に対話形式で掘り下げていく、積極的なコミュニケーション参加を奨励する英語講座のことです。英語で行われる通常授業で向上が期待されるリスニング能力に加え、スピーキングやライティングの能力も総合的に高めていく狙いがあります。

という内容を私がでっち上げた架空の講座ですのであしからず。


まとめ


面接試験はオンリーワンであることが何より重要です。自分にとってもそうですが、相手にとっても同様です。この生徒はウチにこそふさわしい!と思わせるようなフィット感が伝わること、志望動機にその力があれば面接試験は成功でしょう。

裏を返せば、志望変更をしづらいとも言えます。
徹底してその学校「のみ」に通用する志望動機を考え抜くことは、後に引けない反面、その学校の魅力を真に実感する機会であるとも言えます。
それが明日の学習意欲にも繋がってくるに違いありません。

夢を叶える手段の1つとして、志望動機を考えてみてください。


くれぐれも、「通いやすいから」とかつまらないことは言わないように。
むしろ通いづらいけど行くくらいの方が意欲的では?

結局4000字を超える長文になりました。
最初に書いた「簡潔な内容」はどこへやら(通常運転です)。

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