-- --

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
28 2016

算数や数学が苦手なのは「量感」が無いからかもしれない件

小学生の指導に限ったことではありませんが、算数を指導していて時々心配になる子がいます。それが、「量感」に欠けることです。勉強が達者な上位1割ほどを除くと、半数ほどの子がこれに該当します。今回はひとつ、「量感」について語ってみたいと思います。明日が公立高校入試の合格発表で、正直プレッシャーを感じているから現実逃避をしたいなー、なんてことは決して思っていません。

量感とは何か


では、1つ問題です。この角度、何度くらいでしょう?

これはさすがに小学校低学年には無理ですが、小学6年生くらいなら±10度以内程度に収めて欲しいところです。

このように、「だいたいどのくらいの量か」という感覚が「量感」です。角度は大人でも結構難しいと思います。ですが、これをご覧の保護者の方、自分のお子さんが「んー、100度くらい?」と答えていたとしたらどう思いますか?正直ショックを受ける方が多いと思います。ですが、それが現実にいるのです。半数は行かないまでも、少なくとも2割はいるでしょう。

ちなみに上記の問題、正解は70度です。いかがですか?

ところで自慢ですが、私は分度器なしで角度を書いても、±3度以内に収める事ができます。とはいえ、算数や数学の先生なら誰でもできることですので、実はあまり自慢にはなりません。算数や数学に長けた人は、この量感がしっかりと身についています。

さて、もう1問いきましょう。

私が指導している小学6年生には全員同じ話をしました。皆さんのお宅にある浴槽にお湯を張ると、水の重さはどのくらいになると思いますか?6年生にこの話をすると、ひとり残らず驚いた顔をするのです。

さて、お風呂が温泉みたいなゴージャス家庭は除くとして、一般的なユニットバス(1坪~1.5坪くらい)に付いている浴槽について計算してみましょう。全く調べた訳ではありませんので、適当に想像してみましょう。これにも量感が必要です。

恐らく、縦90cm×幅60cm×深さ45cmくらいでしょうか。当然丸みを帯びていると思いますが、そこは無視しましょう。深さは実際にはもっとあると思いますが、満水にする人はいません。お湯があふれまくってもったいないですので、深さは適当です。

すると、水の体積は243000立方cm程度。1000立方cmが1Lですので、240Lくらいですね。水は1Lで1kgの質量ですから、結局240kgということになります。誤差を考えると、お湯の重さは200kg~300kgくらいです。

この範囲に入った方は大正解。ですが、小学生でこれを当てられる子が何人いますか?そして、ここから彼らが学ぶべき事は、「水って意外と重いんだなあ」という感覚です。こうすることで、量感が鋭くなっていくわけです。


量感が無いと理科・算数(数学)の伸びが鈍る


量感に欠ける子は、最初の角度の問題でこのように誤答します。

A. 110度

もちろん分度器を使った上でこの解答です。確かに上の問題、分度器で測ると70度と110度の両方が表示されています。もちろん開始位置が0度の方を読み取るので、70度に決まっているのですが……ちょっと注意がそれた場合、間違えてしまうかも知れません。まあ、そこまでは良いでしょう。

ところが、ある程度量感のある子ならば、ここで間違いに気づきます。

少なくとも直角=90度より小さいワケです。110度はあり得ません。あれ、おかしいぞ、と感じた子なら、ここで答えを修正するなり、もう一度測り直すなどの対処を行います。

量感に欠ける子は全く気づきません。そのまま何の疑問も無く答えを書きます。自分の感覚よりも(誤)表示されている数字が優先されてしまうのです。

このように、自分が導き出した答えを見直しする際、量感は非常に重要です。

例えば、人間の歩く速さを求めたら、80km/分だったとしましょう。飛行機ですらこのスピードは出せません。1秒で1km以上進んでしまうとか、おかしいですよね。明らかに80m/分の誤りなのは言うまでもありません。これは量感に頼るまでも無く、気づく人が多いはず。要は見直しをしたかどうかの差、というレベルです。

ところが、これならどうでしょう。人間の歩く速さを求めたら、200m/分になってしまったとしましょう。どう考えても走っている速さですが、量感に欠ける子は全くおかしいと気づきません。

こういうのをケアレスミス、と片付けてしまっては、いつになってもまともな能力が育つはずありません。

単位の変換などをやらせると、1km=100mというミスがよくあります。これは暗記をすれば済む話ではありません。暗記に頼りすぎているから、ちょっとしたミスを犯すのです。覚え間違いで済ましてしまうのは非常に危険です。二言目には「ちゃんと覚えろ」としか言えない指導者も残念です。こういうミスを指導者がどのように指摘をするか、それだけで子どもたちの量感に大きな差が付いてきます。

「100m走って1km走ったことになる?」

こう聞くとほぼ全員が否定します。そう、違うって分かるじゃないですか、自力で。


量感を鍛えるためにすること


量感を鍛えるためには「意識をさせる」ことです。身の回りの物がどのような大きさなのか。どのような重さなのか。それを知ることから始めます。

ペットボトル飲料の容積が500mLなのはだいたいの子が知っています。それを基準とすれば、缶コーヒーがだいたいどの程度の容量なのか、重さなのか、ある程度分かってもらえます。こうして1つの基準から少しずつ回りに広げていき、未知の量を類推する。これが相対的な量感の身につけ方です。

もう1つは、絶対的な量感の身につけ方です。1mを手で広げさせてみると分かります。他の物と比較するのではなく、何も無い状態で大きさを示すのは難しいことです。上の角度問題がこれに近いですね。角度で言えば、直角は誰でも分かると思います。また、少し量感が鍛えられてくると、次に身につくのは45度でしょう。「斜め45度」という表現が一般的に使われるのは、この量感が身についている人が多い証拠です。

この2つがすぐに身につくのは、目にしている機会が多いからでしょう。つまり、絶対的な量感は経験がモノを言うということです。回りの指導者が頻繁に問いかけをしてやれば、すぐに量感を身につけることができます。私はよく生徒にクイズ形式で問いかけます。小学生なら、長さ・重さ・角度の3つの量感はぜひ身につけておきたいところです。特に手のひらサイズの長さ・角度は重要ですので、できるだけ低学年のうちに習得を目指しておきましょう。


まとめ


量感そのものが問題を解くのに役に立つわけではありません。ある種の「勘」が働くかどうか、これには影響を及ぼします。小学生や中学生のうちは、答えの見直し防止に役立ちます。ですが、中学生理科である程度以上のレベルになると、「量感がある・ない」でかなり差が付きます。

量感を身につけるのは、習って1年間が勝負でしょう。新しい概念を知り、それが現実でどのように使われているかを知ることで、自然と量感が身について行きます。このとき最高の教師役は、最も生活時間を共有している保護者です。ぜひコミュニケーションの一つに取り入れてみてはいかがでしょうか。

量感が無い子は、中3の入試対策でもこんな答えを書いてしまいます。

Q.地球と太陽の距離を計算しなさい。
A.40km

焼け死んでしまうわ!

関連記事

小学生 中学生

- 0 Comments

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。