27 2016

理科の入試対策は春から始めるべし

今春の2016年公立高校入試では、理科がだいぶ易化しました。実際に解いてみると、確かにここ2年の問題とは比較にならないほど解きやすくなりました。ただし、それは前半の問題だけで、後半4題はコレでもかというほど原理・原則の理解が求められる相変わらずの難度です。

そして、易化したとはいえ、平均点は46.5点と低めです。その前が低すぎた=難しすぎたと言うことですので、依然かなりの難度を保っていると言えます。

神奈川県入試の理科がなぜ難しいのか、それは3つの要素があると分析しています。

文章量が多い


神奈川県の理科、めちゃくちゃ文章が長いんです。まずその分量に圧倒されます。A4のページが1枚丸々問題の設定と実験内容の説明で、肝心の問題文はもう1ページあったりします。大問が8問あるうち、後半4問はこのような作りになっているため、文章から情報を読み取るのが苦手な子の場合、見ただけで心が折られます。それはもうバキバキに。

裏を返せば、それだけ十分な文章量があるわけですから、ヒントもたくさん含まれているわけです。必要なのは、問題文から必要な情報を的確に探し出す読解力です。あとは長さに負けない精神力でしょうか。偉そうに活字アレルギーとか言っている子は病院に診察に行くと良いでしょう。そんな病気ありません。問題を解こうという姿勢に問題があるだけです。

実験の本質の理解が必要


理科は定期テストでも実験についての問題が基本です。例えば、中1の冒頭で習う光合成の実験。使われる二酸化炭素を調べるためにBTB溶液を用いたり、石灰水を用いたりします。このとき、BTB溶液の色が何色に変わるのか、中学生は一生懸命暗記をしてテストに臨むはずです。

この程度を覚えて来なかった子は、そのツケが中3で山ほど回ってくるでしょう。

公立高校入試では、色を暗記するのは当然として、「なぜBTB溶液を使うのか」「なぜその色に変化したのか」「BTB溶液を使うことで分かる/分からないことは何か」などを理解していなければいけません。もちろん、理解したら覚えて完成なのですが、ただ結果だけを覚えても、入試には役に立たないということです。

特に最近フィーチャーされているのが、その実験から分かる事と分からない事を判断する問題です。これが分かっていないと、確かめたい事を調べるのにふさわしい実験内容が決まりません。例えば、中学生の永遠の敵、自由研究。この善し悪しは、実は「何の実験をすれば確かめられるか」を的確に選べるかどうかで決まります。テーマはさほど重要ではなく、実験の内容を決める時点で勝敗はほぼ決したと考えて良いでしょう。

実は中1理科の初期段階で、「対照実験」を学習します。このとき意味を正確に理解しておけば、その後行われる数々の実験について、考察が簡単に書けるようになるのですが、大抵の中学生は後の祭り。中3生の凝り固まった頭脳にイチからたたき込むのは至難の業なんですよね……

定期テストと入試の差が激しい


最近の定期テストは問題数が大分増えてきました。多くの学校が50問程度あります。問題用紙のページ数は約6ページほど。1問1問の文章量が非常に少ないのが特徴です。

対して入試は25問くらいです。問題数で言えば定期テストより少ないのですが、問題用紙は14ページにもなります。これだけでどれだけ文章量が多いのかが想像できるでしょう。

そして難易度も違います。学校のテストは出来ることを確かめる目的です。入試は上から下までさまざまな偏差値の生徒が同じものを受験するため、誰でも出来る問題ばかりにしてしまうとトップ校の生徒がほぼ全員満点になります(4年前はそうでしたが)。これでは合否がつけられません。入試はふるい落とすためのテストですので、必然的に難易度が高くなるのです。

学校のテストで満点が取れても、本格的な対策無しでは入試で半分も取れないでしょう。いくら中1・2時代に理科が得意だったとしても、のんびり構えてはいられないのです。

中3に昨年の入試問題を解かせてみた


毎年の春先、中3に入試問題を解かせています。中1・中2の内容に限定し、現時点での入試までの距離を実感してもらうためです。特に理科は、前述の通り学校のテストとの差が激しいので、できるだけ早い内からコツコツ積み上げておかなくてはなりません

昨日の授業後、今年の中3生に2016年度入試問題を解かせました。数学を2コマ+演習を1コマやってかなり疲れている彼らに解かせるのはほんのちょっと良心が痛みましたが(蚊に刺された位)、思いの外真剣に解いているじゃないですか。最初は「えー」だの「無理ー」だのうめいてた彼らも、解き進めるうちに「これはシャレにならない」という実感が得られたのでしょうか、拙いながらも必死に答えを作成しています。

昨年度の理科入試は、中1・2の内容が100点中75点を占めています。言い換えれば、今必死で勉強している中3の内容を完璧にしても、25点分しか取れないという事です。特に中1内容は、習ってから年月が経っていること、そもそもマトモに授業を受けていたかがかなり怪しいことも手伝って、散々な事になっています。

それでも何とか解き終えた生徒たち。点数を集計してみると、意外な結果になりました。普段の学校のテストで高得点が取れている生徒が軒並み沈み、意外な実力を発揮した生徒が上位に来ました。まぐれではありません。選択問題だけでなく、記述問題でも得点を出来ているからです。

具体的な得点は保護者の方にメールで発信する予定です。ちなみに最高点と最低点は6倍の開きがあります。

最高の注意喚起になったと思います。結果を見れば、現在の自分の実力は丸裸です。

タイムリミットは11月


11月の第3回テストが終わったら、授業は入試対策に切り替わります。ここから入試レベルの演習を行うためには、それまでに欠けている知識があってはいけません。数年前までは、用語を完璧に暗記しておけば良かったのですが、現在の入試のレベルでは、用語を覚えるだけではダメ。かつての神奈川県の入試問題(全国的に簡単なレベル)を解けるようになっていて欲しいところです。

ウチの塾ではそのために来月から理社復習講座を開講し、そのサポートを行います。部活もまだ忙しい中、更に負担が増えるのはキツいところです。しかし、部活を引退してからではとてもじゃないですが間に合いません。何しろ夏休みは夏休みでやるべき事がありますし、その後は第3回テストに全力投球です。

長い期間をかけて着実にペースを守って積み重ねて行く。負担はかかるものの、極力最小限に抑えて講座を進めていき、無理なく11月に間に合わせる。これが復習講座の目指すところです。

タイムリミットは11月。それまでに簡単めな入試問題を攻略できる程度の知識を固めましょう。ただ、復習講座を受講しなくても、各自で11月までに同様の勉強をしておいてくれれば問題ありません。方法は問いませんが、期限は絶対です。間に合わなかった場合、志望校の変更を余儀なくされます。特に、中堅~上位層は取り組みによって強烈な差がつく科目です。スタート地点に立てない、という事の無いよう万全の準備をしていきましょう。


余談ですが、今回の入試問題「体験」にてトップだったSくんには賞品をあげました。題して「数学が得意になるノート」です。何のことはない、私が実際に使っているタイプのノートです。Loftでたくさん仕入れてきたので、そのお裾分けですね。

そのノートを使い込んでいかに早く消費するかが、本当に得意になるかどうかの分かれ目ですね。綺麗なまま取って置いても良いことはありません。

気に入ったら自分で買いましょう。またトップを取ったらあげようかな(笑)。


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