19 2016

「良問」を求めて

私たち塾講師が暗躍する(笑)教育業界にも、一般的にはあまり見かけない用語があります。日頃当たり前の様に使ってしまう悪癖があり、そこは自省をすべき所です。大学生が入学後ぶち当たるカリキュラムとか、シラバスとか、あのテの用語もそうなのですが、ぶっちゃけ使っている自分たちでもよく分かりません。

さて、そんな用語の中に「良問」という言葉があります。

私もテストを作成する際は、できるだけ「良問」を作ろうと心がけています。昨日作った問題がなかなかの「良問」で、心の中で盛大に自画自賛したものです。

さて、「良問」とは何でしょう?

私の中では、2つ定義があります。

1つは、「1つの問題で複数の知識・技能が身についているかを測る問題」です。端的に言うと一石二鳥というヤツです。毎回確認テストをやるのですが、1つ1つ全ての要素を確認しようとすると問題数が比例してどんどん増えていってしまいます。確認テストは10分で済ませたいところですので、1問でたくさんの要素をチェックできる問題はとても都合が良いのです。

つまり、効率が「良」い「問」題ということですね。

もう1つが、「曖昧な方法で解くと必ず間違える問題」です。これは我々のような指導者が、生徒の達成度のチェックをするときによく用います。生徒からしてみると、ある意味落とし穴のようなトラップです。きっと彼らからすると「悪問」だと感じているはずです。

一見簡単そうに見えて、実は相当慎重に解かないと失敗してしまう。こんなタイプの問題のストックがあると確認テストの「チェック機能」が最大限に発揮されるのです。

さて、中1数学で学習する正負の数の大詰めといえば、「四則混合計算」です。計算の順序を間違えたり、符号の捉え方が適当だったりすると、正しい答えにはなりません。これを未然に防ぐため、授業中にミスの起こらない方法を教えているのです。

ですが、出来ない子ほど言われた通りの方法でやらない。
いや、むしろ言われた通りにやらないからこそ出来ない子なのです。

それをあぶり出すチェックのための確認テストを作らなければなりません。適当にやってもたまたま答えが合ってしまう、そんな問題こそ悪問です。我々は、生徒が間違った道に迷い込んでしまったことを気づかせてやり、正しい道に戻してやるための「良問」を提供してやらねばなりません。

ということで、最初に書きましたが、昨日作った問題のうち1問がなかなかの良問でした。これをご覧の保護者の方、お子さんが中学生なら全員出来るはずですので、ひとつやらせてみてはいかがでしょう。
21+14÷(5+2)-7

どうですか?一見ものすごく簡単そうに見えませんか。実は正しい手順ならば小学生でもちゃんと解ける問題です。そして、私の狙い通り、正しい作法でやっていなかった生徒は全員この問題でミスをしました。何というフィルターでしょう。


この問題のキモは、どう間違った順番で計算しても整数になるという点(1つは計算がそもそも成り立ちませんが)。除法が混じっている計算は順序を間違えると整数にならない事が多く、そこで誤りに気づく、というパターンがよくあります。この問題は間違えても何の疑問にも思わないところがいやらしい。


想定される答えのパターンは「-2」「21」「0」「16」あたりでしょうか。この中で、「-2」と答える生徒が典型的な間違いパターン。「21」や「0」と答える生徒はそもそも割り算の超基本原理が分かっていない重症患者。特に「0」の子は即座に対策を取った方が良いでしょう。もちろん正解は「16」です。


ちなみに他の教室の生徒へ出題したものですので、まだウチの教室の生徒には出していません。予想正解率は25%というところでしょうか。


4人に1人か……間違えた人は特訓だ!



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