19 2016

成功する入試勉強のポイントは「前半重視」にあり

先日私がサブで入っている教室で、こんな一幕がありました。

それは中3対象の理科復習講座での事です。習ったばかり&意識が高まっている中3内容に比べ、中1・中2の内容は非常に定着率が低く、目も当てられない状況になっている生徒が圧倒的に多いのです。そのために春からコツコツ進めているのが復習講座です。

本当にジワジワかつコツコツ進めているので、ようやく中2地学の天気までこぎ着けました。全8分野中ラストの内容です。

コトは天気図の解説で起こりました。

前回の入試対策模試において、基礎クラスの解説は問8「気圧と天気」の内容を取り上げました。基礎クラスでの解説コンセプトは「全員必須の基礎問題」を定着させることです。現在の神奈川県公立入試理科において、知識メインで解ける数少ない分野の1つが、天気分野なのです。

もちろん、知識メインとはいえ、海陸風や季節風の起こる原因として、水や大地の比熱差や空気の対流の原理は必要ですが、物理や化学に比べると、原理を丸々暗記してしまえば良いだけですので、知識の枠を超えていません。

つまり、入試で50点程度の得点で合格出来る高校=足柄高校を受検する生徒には絶好の分野。基礎クラスではかなりの時間を取って解説しました。生徒たちもメモを取っていましたので、その後のテスト直しに活かすよう指示をしたのです。

それから5日後、復習講座で再び天気図の問題が登場しました。先日の入試対策模試の復習が済んでいれば、確実に正解できる問題です。それがですよ……まさかの正解率30%。1つ1つの天気図について識別のポイントを確認していきましたが、それも答えられず。

そこから20分以上、お説教タイムです。生徒たちも模試で同じ問題が出題されたことは覚えていたようですが、まだテスト直しを終えていないとのことでした。

確かにテスト直しの期日は金曜まで。授業は木曜に行われたものです。期日前と言えばそれまでなのですが、じゃあ理科が最後になったのかと聞くと、まだ複数科目残っていると……

私が螢田教室で頻繁に口にしていること、それは「後半重視は受験勉強で失敗するパターン」であるということです。彼らの行動は、まさにそれに当てはまります。

受験勉強は前倒しが基本


当然毎年全員合格を目指して指導していますが、それでもわずかに不合格者は存在します。螢田教室も開校してそろそろ10年になります。卒業生も100名を超えていますが、今までに7名公立高校を不合格になっています。

その全ての生徒に共通するのが、「後半にもの凄い頑張りを見せた」ことです。

しかし、それは言い換えれば「前半に余裕を持っていた」「後半にやらざるを得なくなった」というコトの裏返しでもあります。

長期的スパンにおける「後半重視」


高校受験勉強シーズンは11月~2月です。この長いスパンにおいて、勉強のピークが2月になってしまうのが「後半重視」の子です。最初はゆったりと勉強を始めますが、徐々に模試の順位が相対的に下がっていく(周りの生徒が上がっていくため)と、焦って必死に勉強を始めます。これが1月後半くらいでしょう。確かに直前の1ヶ月の勉強は鬼気迫るものがあるので、受験勉強をやり切った感はあります。

しかし、勉強の総量はコツコツと積み上げてきた生徒に及ぶべくはありません。ハッキリ言って、気付いたときには手の届かないところへ引き離されてしまっているのです。

短期的スパンにおける「後半重視」


では、短いスパンで見たらどうでしょう。

それが今回のような、模試の直しにも現れています。当学院の模試直し期限は1週間です。土曜に試験があり、それを翌週金曜までに行うのがルールです。

前述の生徒がまさに「後半重視」でしょう。結局残った科目を期限ギリギリになって片付けるため、深く考える時間も、周辺の知識を調べる時間もありません。解説を写すのが関の山。自分が解くべき問題なのか、それとも不要な問題(この見極めが実は重要)なのか、分け隔て無く適当にまとめて終了です。

そうして仕上げられた模試直しに何の意味があるでしょう。それはただの「作業」であり、提出しなければならないという「義務」によって作られた無駄なノートにしかなり得ません。

私が螢田教室の生徒のスケジュールをチェックしたのは先週月曜・火曜のことです。私は模試直しの進捗を重点的にチェックしていました。すると、やはり上位層はもちろん、危機感を持っている生徒達も既に模試直しが終了しています。多くの生徒は模試のあった当日、帰宅してすぐに1~2科目の直しを行っています。週明けの月曜には、模試の直し中に生じた疑問について質問が何件もありました。

このようなペースが受験勉強の基本となる「前倒し」です。1週間期限があったとき、前半でさっさとカタをつけ、後半はそこで生じた問題解決にあてていきます。

一方、1週間という短期間においても後半重視になる生徒は、前半に何をしているのでしょう。見てみると、冬期講習までの課題を進めていたり、過去問を進めていたりしています。

模試を直してこそ自分の目の前にある課題が見えてくるというもの。現在の弱点を知ろうともせず、淡々と勉強を進めるのはとても効率的とは言えません。これもまた、課題や過去問を「義務」と捉えて勉強していることの証なのです。

中期的スパンにおける「後半重視」


先ほど取り上げた「冬期講習までの課題」は中期的なスパンにあたります。課題が提示されたのは11月中旬、それから1ヶ月間で5科目の課題+過去問の演習を仕上げ、講習会に臨みます。というのは穏やかな表現で、終わっていなければ講習会に参加させません(=その時点でおしまいです)。

事実、一昨年この課題が終わらずに退学処分となった生徒がいました。後にも先にもその1名ですが。

課題を提示するにあたり、スケジューリングの基本を生徒に伝えました。何のことはない、ただの「割り算」です。例えば、私が責任者である理科は、入試小問集を解いてくることを課題に設定しましたが、全部で5分野に分かれています。約5週間あるので、1週間に1分野ずつ進めれば良いと分かります。

また、1つの分野は入試の小問が50問程度あります。入試問題は1年分で約20問ですから、2.5年分に相当します。ならば、2~3時間あれば1つの分野をこなすことが可能です。1週間のうち、たった3時間をここに当てればよいのです。これが5科目あったとしても、せいぜい15時間ですから、無理なくスケジュールを組めるでしょう。

そして、現在残り1週間です。例えば、ここで残り2分野あったとすると、6時間必要です。どの科目もその程度の分量残っているなら、もう睡眠時間を削る以外対処しようが無くなってしまいます。

何とか終わらせたとしても、これもまたやっつけ仕事と成り果てます。勉強は終わるのが目的では無く、出来るのが目的です。でも、きっと終わった達成感に浸って「私はとても頑張った」という自己評価になるようでしょうね。

まとめ


短期・中期・長期いずれもこのような「後半重視」で取り組んだ入試勉強では、手元に残った「達成感」に対して実効はほとんどありません。それが最終的に不合格という結果となって跳ね返ってきます。

対して、前倒しで取り組んだ場合、非常にペースとしてはコンスタントでドラマティックな盛り上がりはありませんが、全ての勉強に意味が生じますし、成果も出やすいことになります。

社会に出ても「締め切り近くならないとがんばれない」人ってたくさんいますが、得てして仕事のクオリティは上がりません。実益を重視するなら、どのようなスパンでも「早く取り組む」のが正解でしょう。

今回テスト直しが後手になった生徒たちには、改めて「前倒し」の重要性を説きました。自教室の生徒にはさんざん口を酸っぱくして言っていますので、きっと心配はいらないでしょう。

いらないよね?(とても不安)

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