01 2017

神奈川県公立高校倍率発表!あたふたしない倍率のとらえ方とは

神奈川県公立高校の出願が締め切られ、県教育委員会から正式に倍率が発表になりました。倍率をここで列挙しても仕方がありませんので、とりあえずサクッとリンクを張っておきます。


昨日の授業後、ある生徒に注意をしました。その生徒はスマホでTwitterからの倍率情報を見ていたので、確定していない情報を見ても仕方がない、と釘を刺したのです。

ここ数年、SNSの発達と普及により、公立高校倍率が公式発表前に多く出回るようになりました。信頼できるソースのものならいざ知らず、中には塾の先生がコメントした内容を真に受けた生徒が拡散したと思わしき情報もあります。真偽が確かでない情報に踊らされる受験生が多発しているのが現状です。

誤解の無いように付け加えると、当事者である受検生が倍率を気にしてソワソワするのは当然のことです。彼らが情報に触れれば、踊らされてしまうのは無理の無いことです。また、それは保護者の方も同様でしょう。情報の正確性はさておいて、です。

2/1の夜に神奈川県教育委員会から公式に発表されるまで、完全な情報は存在しません。企業が集計をして流布している情報もありますが、公式発表ではありません。

また、数日ならともかく、数時間早く知ることによるメリットはありません。落ち着いて神奈川県から発表されたものに目を通せば良いのです。表が細かすぎて見づらいのと、単位制やら専門科やら分類が分かりづらいという難点はありますが、公式資料なんてそんなものです。

倍率から読み取れるもの


実は、中学3年生が倍率を見て、受検生の動向や倍率の表している現在の状況を正確に読み取るのは大変難しい事だと思います。我々塾講師の中でも、数字だけ眺めて正確な考察の一つも出来ない人も存在します。それゆえ、受検生は倍率を気にせず目標に向かって邁進あるのみ!がベストな姿勢なのです。

細かい考察は自塾の生徒にのみ提供しますが、今回注目すべきポイントにふれてみたいと思います。

県西部地区のトップ校は例年未満


小田原市から受検する生徒が多い旧トップ校3校、小田原・平塚江南・厚木を見てみましょう。


高校名 定員 2/1志願者数 倍率
小田原 318 367 1.15
平塚江南 318 363 1.14
厚木 358 456 1.27

横浜翠嵐や湘南など、藤沢より東側のトップ校が軒並み高倍率に対して、さすがは西側、例年通りの低倍率となりました。地元である小田原高校にしても、1.3倍で「高倍率だ!」なんて言われてしまう地域ですので、むしろ通常飛行なのでしょう。

さて、この低倍率を受けて志願変更がどの程度予想されるかと言えば、ほぼ無いと考えられます。

その理由は2つ。

1.湘南高校が昨年のような高倍率になっていない。
2.この3校とも逃げるほどの倍率ではない。

昨年は1.72倍という高倍率だった湘南高校ですが、今年度は今のところ1.47倍です。上記3校に比べれば高いですが、昨年より大幅に下がった倍率に、恐らく「ホッとした」受検生の方が多いでしょう。こうなると、湘南高校から平塚江南や小田原に下がってくる事も考えづらい、という訳です。

また、1.14~5倍程度ならチャンスが大きい部類の倍率ですので、秦野や茅ヶ崎北陵などへ下げる事も考えにくいでしょうね。ほぼ全ての受検生が初志貫徹で勝負にくると考えられます。

旧県西学区は無風入試に近い数字に


ウチの塾から受ける生徒が多い旧県西学区の普通科を見てみましょう。

高校名 定員 2/1志願者数 倍率
西湘 348 384 1.10
足柄 238 248 1.04
山北 198 201 1.02
小田原東 118 113 0.96

人口がそんなに減少したのかと言わんばかりの倍率です。やはり「出来るだけ東へ」という傾向は年々強くなっています。茅ヶ崎や平塚は総じて県西より倍率が高めで、いかに東への流出が進んでいるかが伺えます。確かに通学の便を考えると、致し方無いのかもしれません。私はローカル感が好きですけど。

志願変更ですが、この倍率より下がることは考えにくいですので、若干増えることは予想されます。例えば、西湘より大磯の方がやや倍率が高いので、小田原市から大磯を狙っていた子はひょっとすると西湘に鞍替えをする可能性があります。とはいえ、大磯がギリギリになってしまうなら西湘も同様ですので、変更をするメリットはほとんど無いのが実情ですが。

注目は新設された小田原東の普通科です。まさかの初年度から定員割れ。小田原東の普通科を志望している生徒のレベルは、昨年度までの総合ビジネスとほぼ同等と予想されます。高校側は高めのレベルの生徒が集まることを想定していたようですが、上位からの流入がほぼ無かったと考えられます。

そして、この定員割れは十中八九解消されるはずです。理由は後述。

専門学科のある高校はコース変更を予想


小田原東高校についてもう少しつっこんでみます。

コース名 定員 2/1志願者数 倍率
普通 118 113 0.96
総合ビジネス 118 165 1.40

昨年の定員割れから一転、何と総合ビジネス科が1.40倍という高倍率をつけました。これは間違いなく志願変更の嵐が起きます。20人程度の変動があってもおかしくありませんので、最終的には1.23倍あたりに落ち着くと予想します(生徒層から鑑みての予想ですがあまり信用しないように)。

では、変更した20人(仮)はどこへ行くかというと、その大半が普通科への鞍替えでしょう。

2コースの合計志願者数は、278名。昨年の志願者数は229名です。約50人増えている事になりますが、果たしてこの50人はどこから流れ込んできたのでしょうか?

それは、旧吉田島総合高校からと思われます。というのも、今年度から吉田島は農業系の3コースに再編されました。このため、定員が大幅に減少しています。昨年の受検者224名に対し、今年度は今のところ141名。約80名もの差があります。

この80名の大部分が、小田原東の総合ビジネスコースに出願したと思われます。本来なら吉田島総合を受けていたであろう80名、という意味です、念のため。そうでなければ80名人口が減少したということでしょう。いくら田舎とはいえ、それは無いでしょう。むしろ開成町は成長していますから、小田原と違って(他意はありません)。

ちなみに、吉田島や小田原城北のように複数のコースのある専門学科は、今回かなり倍率にバラツキがありました。これも、小田原東のように同じ学校内でコース変更をする受検生が出てきますので、多少平均化するように均されると思います。

受検生の現実的な姿を見ても、もの凄くこだわりをもってコースを選んでいる子はごく一部分で、あとはコース名の印象で選んでいるのがありありですからね。もちろん小田原城北のデザインだけは別です。

高倍率だったときの心構え


自分の出願した学校が、予想外に高倍率だったとしたら、当然不安になると思います。
そのときは、冷静に自分の得点力を考えると良いでしょう。

小田原東の総合ビジネスを例に取ります(この辺りで最も高倍率なので)。

118人の定員のところ、165人出願しています。
このまま全員が受検したら、165-118=47人不合格になる、と考える受検生がほとんどです。

ここで疑問なのが、「なんで不合格側に入っていると考えるの?」という事です。

47人不合格になるのではなく、118人合格になるのです。
割合はどちらの方が大きいか、言うまでも無いでしょう。

横浜翠嵐のように2.0倍を超えているなら話は別ですが、1.40倍程度なら、合格者の割合の方がはるかに大きいのです。

つまり、同じ高校を受検した生徒の平均点を取れば、間違いなく合格するということに他なりません。正確には中央値ですが、それほど大差はないでしょう(平均値と中央値の示す違いは昨日の授業で強調していますが……)。もちろんその高校を目指して勉強しているのですから、おおよその得点力はつかめているでしょう。自分がその受検生の中で平均的な位置にいれば、100%合格するのです。

しかし、受検生は十分な得点力がある子でも「自分は下位の方である」と錯覚してしまいがちです。不安がそうさせてしまいます。

その場合は、客観的に得点力を把握している第3者に相談してみましょう。ウチの教室の生徒ならもちろん私に。塾に通っている子ならその塾の先生が完璧に把握しています。塾に行っていない子は担任の先生を頼るしかありません。

明らかに受検生の中で下位に位置する、と自覚があるなら、出来ることは2つ。

潔く志願変更をし、学力を磨く。
潔くそのまま受検し、学力を磨く。

どちらにしても、学力を磨くこと、それのみが合格への道です。

ですから、家族会議は出来るだけ1回で済ませたいところです。受検生を話し合いに拘束しても、得点は下がる一方。それより、本人の希望・家庭の事情をすりあわせ、一刻も早く目標を定めて入試勉強に引き続き取り組むべきでしょう。

そして、志願変更後に倍率が再び発表になりますが、もうそんなもの見ても合格率は1ミリたりとも上がりません。調べている時間だけ無駄ですので、勉強に邁進して下さい。

それにしてもこの倍率パニック、そろそろ何とかならないものでしょうか。
もっとも、私はTwitterをやっていないので、対岸の火事なのですが(倍率も公式発表で知りました)。
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