06 2015

小学校の80点はデキるほうではないという話

新学年も始まり、1ヶ月が過ぎました。このGWまでは授業のならし期間、いわば滑走路を走っているだけの状態です。授業の進度もゆっくり、テストもほとんどない、宿題もごくわずか。たいていの公立小・中・高はどこも同じような状況でしょう。

この時期に勉強のペースを固めておかないと、どの学年も大変なことになります。むしろ、ここで既に学校の授業がよく分からない、なんて状態になってしまったらアウトです。高校生にありがちなパターンです。それは、ただ単に高校をナメていただけ。多少痛い目を見るくらいが良いでしょう。

学校もせいぜい1~2単元くらいしか終わっていないので、まだテストもほとんどありません。そこで本日のエントリはテストの点について切り込んでみようと思います。それも、小学校のテストの点について、です。

小学生の100点が示すモノ


連休前に1つ、または2つほど学校でテストがあったはずです。その結果を見てください。100点が取れていたら問題有りません。そっとこのブログを閉じて頂いても結構です。とても優秀なので何も問題はありません。今後も順風満帆な学習生活を送れることでしょう。

と、考えてしまう方は多いのでは無いでしょうか?
真っ赤なウソです。

保護者の皆さん、お子さんが100点を取ってきたら、とりあえず褒めてください。それはまっとうな努力をした証です。まっとうな努力とは、ちゃんと学校の先生の話を聞いて理解すること、ちゃんと学校の宿題をやること、この2つです。小学校のテストは、習ったことを1週間覚えていれば満点が取れます。なぜなら、習ってすぐにテストがあるからです。先生の説明が分かり、宿題で多少復習をすれば大丈夫です。それを「まっとうな努力」と表現したのは、その程度のことは誰でも当たり前のようにやるからです。

ですが、そのまっとうな努力さえ、現代の小学生の何割かはこなせていません。

たとえば、授業を聞くことについて。聞くだけなら誰でもできますが、理解をするとなると話は変わります。授業を「わかる」と思って聞いている子どもはどのくらいいるでしょうか。特に、低学年のうちにつまづいてそのまま高学年になると、挽回するのが非常に難しい。先生の授業を聞くときの意識が「どうせわからない」となってしまうと、無意識のフィルターがかかってしまいます。大きく意識を変えて、「ちゃんと分かるようになってやるぞ」という意気込みで授業に臨むだけで違うんですけどね。

また、宿題もそう。大人は「宿題くらいやるのは当たり前」と思っているでしょう。ですが、自分が子ども時代はそう思えたでしょうか?先生に「やれ」と言われたら「やる」のが当然という意識を持っていた保護者の方なら、自ずと子どもも同じ意識を共有します。逆もしかりです。だから、「私も小学校のとき宿題なんかやらなかったわ」なんて口が裂けても言ってはいけません。もし自分がそうだったなら、それを省みて、子どもには一切「武勇伝」を語ってはいけないのです。もし心当たりがあるようでしたら、赤信号が点っている可能性があります。

だから、まっとうな努力ができている子は、まず褒めてあげて欲しいのです。現時点ではやるべきことができている、ということが評価ポイントです。ここで「満点なんて取れて当たり前でしょ」なんて言ってはダメ。それで奮起してもっと頑張ろうなんという殊勝な子はいません。保護者自らやる気を削いでもしょうがありませんよね。

小学生の90点が示すモノ


では、90点はどうでしょう。

小学生のテストだと、計算問題を1つ2つ間違えると、90点になります。問題数が少ないので、ワンミスが命取りです。そこで注意して欲しいのは、90点だったときのお子さんのリアクションです。

悔しがっている子は伸びます。喜んでいる子は伸びません。ざっくり分類するとこうなります。「まっとうに」やれば満点になるものを、間違えてしまった。これは事実です。自分ならできるはず!と思っていた子は悔しいですよね。この気持ちは大事です。気持ちだけではダメですが。

喜んでいる子は、まずそもそも満点が目標ではありません。だから、自分の低めの目標をクリアしたと考えて、喜んでしまいます。これでは先がありませんから、満点を取れたら褒めてあげましょう。

ただし、今まで全然点数が取れなかった子が努力をし始め、だんだん伸びてきている過程での90点だったら、全力で褒めてあげると良いと思います。塾に通ってしばらくするとこういう過程に遭遇するはずです。それは努力無くしては勝ち得ない点数ですので、とても価値があると言えるでしょう。

ちなみに90点になってしまった原因は、練習不足です。よほど勉強している子以外は、単純に練習量が不足しています。もし90点だった場合は、その間違えてしまった問題はもちろん、類題を徹底的にくり返しましょう。「ケアレスミス」という言葉を本人も保護者の方もよく使いますが、我々プロはほとんど使いません。ケアレス=注意不足になる原因を解消しないと全く意味がないので、ケアレスミスなんていう安易な言葉はあまり使わない方がよろしいかと。

小学生の80点が示すモノ


本題です。ここまでとても長かったです。

テストの種類にもよりますが、小学生の80点は、デキない方だと言えます。
特に、次のようなテストの場合は危険です。

・漢字50問(100問)テスト
・カラー印刷のテスト

漢字50問テストは、よほど鬼畜な先生でない限り、事前に範囲(ほぼテストそのまま)が告知され、練習期間が1週間ほど与えられます。しかも新出漢字ではありません。一度は覚えた漢字なはずです。

そのテストで80点(や、それ以下)だったら、明らかに準備不足です。おおかた前日にさっと眺めただけとか、最初はいきおい練習し始めたものの、少しやったら飽きてしまった、という状態でしょう。これは、「ウチの子は漢字が苦手なんですよね~」なんて言葉で済まされるような問題ではなく、もっと根の深いモノです。つまり、計画を立てて勉強をすることができないわけです。このような子が、中学校でド低迷をするパターンです。

また、カラー印刷のテストは、先生が作っているわけではなく、業者から購入して使っているテストです。教科書で習っていないパターンは一切出ることはありませんので、数あるテストの中でも難易度はもっとも低いものです。そして、習ったらまとめとしてすぐにテストを行います。先ほどから何度もくり返しているとおり、「まっとうな努力」で満点がほぼ確実に狙えるテストです。

前述のように、ミスをしても90点くらいは取れますので、80点になってしまうということは、「解き方を分かってない」という事です。学校でやったことと同じ問題、先生が説明したことと同じ問題、宿題と同じ問題、それしか出ません。できなかった原因は、「先生の話が理解できない」「宿題をやっていない」「またはその両方」です。

解決策は……悪いことは言いません、塾に通わせてください。学習の正しい方法・ペースがつかめるようになるまで最低1ヶ月、根が深い場合は半年~1年近くかかりますが、粘り強く応援してあげると良いと思います。塾に通い始めても宿題をやらなかったりした場合は、もっと時間がかかるでしょう。宿題の管理方法は別の記事で書いていますので、参考にしてください。

中学以上の80点との違い


単純に、テスト範囲と時期が違います。中学校以上のテストは定期試験です。範囲は2~3ヶ月分の学習内容ですから、小学校のように習ってすぐにやるテストとは勉強法が全く違います。必要とされる勉強量や能力も大きく異なります。同じ80点とはいえ、同列で比較をしてはいけません。

そして、保護者の方もそのイメージで固定されていることでしょう。無理もありません、小学校時代なんて遠い昔(←失礼)、テストと言えば定期テストや入試ですから、80点=デキる方なのです。私も小学校のときのテストなんてまったく印象に残っていません。先生の自作した理科・社会の100問テストは1学期分がまとめて出てくるのでメチャメチャ勉強に燃えた記憶があります。けどそれ、ほぼ定期テストですよね。

まとめ



小学生時代にほぼ満点しか取ったことがない、という子は、中学校で平均8割程度の得点が見込めます。ですが、小学生時代に80点未満だった子は、中学に入るととたんに低迷する将来が見えてしまいます。だから、小学校時代は満点にこだわってください。ウチの塾で満点のテストを持ってきたらポイントを上げるのは、そういった理由があるからです。

中学に入ってできなくなっちゃって……という相談をよく受けます。聞いてみると、「小学校のときはそんなにできない方じゃなかったんですけどね」とのお話。私の中で、「そんなにできない方じゃなかった=たまに満点、平均8~9割」と変換されています。80点は、「そんなにできない方じゃなかった」ではなく、「どちらかというとできない方」です。だから、みんな満点をめざして勉強しようね!と言いたいわけです。

おまけ:授業を受ける側の問題点について


大きな声では言えないですが、最後にこっそり書いてしまいましょう。

学校の先生の授業が分からないのは、大半は学校の先生の責任ではなく、子どもの自己責任です。もちろん子どもは何aがあってもそんな事考えませんから、「学校の先生の説明がわかりにくいんだ」と言うでしょう。授業参観でちゃんと先生の話を聞いてみてください。ちゃんとわかりやすい授業をしているはずですから。もちろん、先ほどのフィルターは保護者にもかかります。保護者も先入観を持たず、中立的な気持ちで授業を聞く必要があります。

とはいえ、本当に教材研究が足りずにわかりにくい先生がいるのも事実ですが、それはまれなケースだと思って良いです。だって、同じ授業を受けてもちゃんとできている生徒もいるわけです。授業を受ける側の能力が大きく影響するのは言うまでもありません。

我々も学校の先生の話をよく耳にしますし、生の声も聞く機会があります。生徒が「先生の話よくわかんなーい!」と言っているのを聞くたび、「あ、コイツ授業ろくに聞いてないな」と実は思っています。だから、学校の先生の話をしっかり聞きましょう。

エラそうな事を言っている私自身ですが、「分かりやすい」という自信はあります(当たり前ですが)。難しいのは「分からせる」ことではなく、「できるようにする」ことですので、「わかりやすい」だけなら、非常にハードルの低いことなんです。ちょっとできる友だちに教えてもらっても、ちゃんと分かるようになりますよね?

でも、教えてもらったからって、テストで解けるようになりません。だから、色々厳しいことを生徒に言うのは、「できるようにする」ためです。GWが終わると、更に厳しさが増すと思って頂いて結構です。がんばってついてきてください。
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