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13 2017

歴史を勉強してみたら苦手になる理由がちょっと分かったかもしれない

以前は試験対策特訓で受ける質問の大半が数学や理科だったのですが、最近は国語や社会の質問が増えてきました。
相変わらず英語の質問が少ないのは、英語力が質問できるレベルに達していないか、英語をナメているかのどちらかだと思いますので、何とかしなくてはいけません(細かく勉強している生徒は質問してきます)。

さて、何を隠そう私は社会が嫌いでした。
ウチのOBはほぼ全員知っていると思います。
「トミーには社会を聞くな」という共通認識が学院生の間に浸透している情けない状態です。

おかしいですね。
確か小学校のときは理科も社会も大好きな部類でした。

ターニングポイントは中2。
歴史がとにかく訳が分からず、それで嫌気がさしたのだとボンヤリ記憶しています。
地理は「理」の字がつくだけあって、原理がすんなり理解しやすいですし、公民は新聞を読んでいたので新たに覚える負担がほぼ無かったので、好きな部類でした。
センター試験も政治経済で受験したくらいですから。

歴史が私のガンでした。
まず暗記量が桁違いに多いこと、理屈が通じない(と思っていた)こと、漢字が多いこと、様々なマイナス要因が重なり、最大の壁であり続けていたのです。
幸いにして高校は高1の必修科目で世界史があっただけで、高2では苦行から解放されてのびのび勉強を楽しんでいました。

歴史を勉強してみた理由


そんな歴史の質問が生徒から連発します。
だいたい歴史の質問をしてくる生徒は、私と似たようなタイプの子です。
このタイプの問題点はズバリこれ。

「納得がいかないから覚えられない」

ひどい子になると、

「納得がいかないから覚えたくない

もはや駄々っ子ですが、悲しいかな、とても共感できます。

これは何とかしなくてはいけない、と思い、最大の敵に挑むことにしたのです。

「よし、歴史を勉強しよう」

歴史を勉強してみたときやったこと


とりあえず、今回中2の試験範囲である「安土桃山~江戸」を勉強します。
私に与えられた時間は3時間。
それ以上は業務と育児に支障が出てしまいます。

1.教科書を読んでみた


学校のテストに教科書を逸脱する範囲は出題されない。
何より、教科書はもの凄い人たちが英知を結集して作成されたもの。
中学生向けの文章ならば楽勝なはず。
そんなわけで、まず教科書を読んでみる事にしました。
教科書なら分量も少ないですし、大した時間はかからず終わることでしょう。

いやいや……ワケわかんないんですけど……

不思議なもので、理科の教科書ならこれ以上無いくらいシンプルに、そして的確な文章だと感じながら読めるのですが、歴史の教科書だと文章の難易度を超越して理解できません。

誤解の無いように自己フォローしておきますと、確かに江戸時代とかサッパリ覚えていませんが、語彙は年相応であると自負しています。
少なくとも中高生にゃ負けません。

でも分からない。

分からない理由は分かっています。
まずは、文章中に出てくる用語が片っ端から理解できていないからです。
例えば、江戸幕府5代将軍徳川綱吉についての一節。

「江戸の湯島に孔子をまつる聖堂を建て、儒学を盛んにするなど、学問を重んじて忠孝や礼儀を説く政治を進めました」

孔子が中国の儒学者である事は知っています。
春秋戦国時代は某キン○ダムの影響で詳しいからです。
ところが、そもそも「儒学」が何かよく分かっていません。

教科書には、その部分の脚注がありました。

「なかでも朱子学が奨励され、林羅山に始まる林家が重用されました」

分かりやすくするはずの脚注であるこの文章、中学生が躓きそうな部分がたくさんあります。

・朱子学が儒学の1ジャンルである
・奨励の意味
・林羅山が人名であること
・林家が林羅山の一派を示すこと
・重用の意味

これらを全て理解しないといけないのですが、平均的な中学生がクリアするのは非常に難しいと思います。

つまり、学校の先生の説明を聞き逃した瞬間にアウト確定ですよね。

2.用語を調べてみた


結果的にこれが大当たりでした。
当然かもしれません。

とりあえず、「儒学」について多少調べてみました。
すると、「朱子学」や「陽明学」などがあり、中でも朱子学は「主従関係を重くみる」という事が分かりました。

それなら合点がいきます。
幕府としては、「武士が偉い」という大前提は崩したくありません。
朱子学を皆が学ぶことで、上下関係は大事だという常識がすり込まれ、これが幕府にとってとても都合が良い、そういう事ですね。

理由が分かれば、理解も早いし暗記も出来ます。
一口に暗記が苦手だと言えど原因は多々ありますが、「理解できないと覚えられない」派の人は、この方法を徹底して進めていけば大丈夫でしょう。

そして、これを学校の先生が説明しているのだとしたら、分からないのは生徒側の問題です。
とりあえず授業を聞いてから「分からない」と言いましょうか、一部の人たち。

3.デフォルメしてみた


私が歴史を勉強し直している理由は、生徒に質問に答えるため。
別に趣味でやっているワケではありません。

中学生に教えるにあたり、彼らに教科書と同じような堅い表現で説明をしても理解できないでしょう。
そこで、1つ1つの出来事を柔らかくデフォルメして考えていきました。

先ほどの徳川綱吉の部分で言うと、

「寺社の造営などに幕府の財産を浪費して」
   ↓
「お寺作りすぎて金が無くなって」

のように、ある意味適当な表現で置き換えていきました。
私も堅い文章が苦手なので、これは理解が楽です。
このような理解の仕方をする理由は、細かい言い回しを覚えるのではなく、要点をザックリとつかんでいくためです。
もちろん用語は正確に暗記をしなくてはいけませんが、その意味を一字一句正確に暗記をする必要は無いはずです。

ならば、「生徒に教えるときアウトプットしやすい状態で頭に入れておいた方が良い」と考えました。

さて、これを「生徒に教えるとき」→「テストで答えるとき」と置き換えれば答えが見えてきます。
よく「教えることを前提にして勉強する」のは有効だと言われます。
まさに私がその実践をしていたわけですが、深い理解をするのと同時に、どうしたら忘れにくいかを意識しながら頭に入れていくため、使える知識となって残りやすいからでしょう。

以上のことを試しながら3時間かけて教科書をじっくり読んでいき、その後教室のワークを解いてみたところ、定期テストレベルまでの問題は全問クリア出来ました。
入試レベルは試していませんが、もうあと3~4回教科書を読み込めば大丈夫でしょう。

歴史を勉強してみて1つだけ分かったこと


歴史を勉強して痛感したのは、予備知識が豊富に必要だと言うこと。
分かりやすく言うなら、「積み重ねが大事」だということです。

私は今回江戸時代を中心に勉強したわけですが、出てくる言葉の大半は今まで出てきた用語です。
用語を調べるとたいてい以前出てきているものばかり。
途中から勉強している人間にとって、調べなければならない事があまりに多すぎます。
これ、中学生がやったら理解する前に心が折れてしまうでしょう。

逆に考えれば、歴史は最初から理解している人にとって大した負担にならないはずです。
「新しいことが出てきた」というよりも、「今までと何がどう変わったか」を意識していけば良く、加えて「なぜそう変わったのか」という理由をつけて理解すれば鬼に金棒、楽勝ではないでしょうか。

ただ、気になるのが公民の知識がある程度必要じゃないかということ。
またまた徳川綱吉の部分でアレですが、綱吉がやったことの説明として、

「質の悪い貨幣を多量に発行したことから、物価が上がり、人々の生活は苦しくなりました」

とあります。

まあ、公民は得意な私としては「そりゃそうだよな」で終わりですが、経済分野の勉強が未経験の中2生はどうやって納得するのでしょう。
もちろん学校の先生が補足説明を行うでしょうが、時間が足らなくて駆け足で進んだ場合、事実だけを教えて終わるんでしょうね。

ちなみに私が実際に生徒の質問に答えたときは

「お前がお店で100円の商品を売ってたとして、客がゲーセンのメダル持ってきたら売る?売らないよね?でもメダル100枚くらい持ってきたら売ってもいいかな?って思うでしょ」

と説明したら納得してくれました。

ある程度の社会システムに対する常識がないと、歴史のあれやこれやが理解できないはずです。
確かに中3で現代社会について勉強をしますが、それを待っていたらテストや入試に間に合いません。
新聞やニュースを通じてある程度情報を得ておくのも大事だと思いますし、なにより保護者の方が世の中の仕組みを小さい頃からちょっとずつ教え込んでおくのが最も有効だと思います。

まとめ


分からない知識を調べながら教科書を読み込むことで、中学生に教えられるだけの理解は出来ました。
もちろん私の知識もゼロではありませんし、士農工商とかくらいは知っています(が、現在は教科書から削除されている事を今更知ってショックを受けました)。
中学生なら、学校の先生の説明を丹念に理解していけば、謎知識はだいぶ減るはずです。

問題なのは、教科書の文章はともかく、学校の先生の説明が理解できない事態になってしまった場合です。
これは学校の先生のせいではなく、本人の知識レベル、語彙レベルの問題です(理解できる人もいるわけですからね)。

それを幸運にも自覚できたら、より詳しい説明を受けるか、たっぷりと時間をかけて調べていくしかありません。
これが早い時期から始められれば、何とか立て直すことが出来るでしょう。
歴史に苦戦している中学生はかなり多いですが、その原因のほとんどは授業を聞いていないか言葉が理解できていないのが理由だと考えられます。

まずは授業を聞く。
そして手間を惜しまず調べる。
歴史の攻略にこの2つは欠かせませんね。

自分で勉強してみて気づいた事がたくさんありました。
今回は江戸時代だけでしたが、色々調べているうちに教科書をはるかに超える知識を手に入れる事が出来ました。
3時間でこれですから、本腰を入れれば全範囲クリアできますね。
こうなると教えてみたくなるのが塾講師の性。
出来ない子の気持ちを痛いほど知っているので、生徒目線の良い授業ができるかもしれません、きっと。

そういえばなんで私は歴史が苦手になったんでしょうかね。
今思い返しても、やはり「興味がなかった」の一言に尽きるのでしょう。
理科は「興味しかなかった」でしたね。
そりゃ得意になりますわ。
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