15 2015

夏を迎える高校3年生に伝えたいこと

生徒の3割が高校生で占められているウチの教室、もちろん高校3年生もいます。そんな高校3年生たちに送るメッセージです。
極めてフワッとした話に終始します。一部の人にだけササるかもしれない、そんなお話です。

夏は受験の天王山ではない


受験業界で使い古された表現、「夏は受験の天王山だ」。

大学受験において、それは誤りです。「天王山」とは勝負の分け目のこと。大学受験は夏休みごときで勝負が決まってしまうような短期決戦ではありません。

実際に入試の明暗を分けるのは、学校がある平常時にどれだけ勉強を積み重ねることができるか、です。夏休みに100時間以上勉強をした事を誇っても何の自慢にもなりません。3年生になってから毎日3時間ずつ勉強をしていたら、夏休みに入るまでに100時間以上勉強してきたことになります。夏休みだけ詰め込むのは、テスト直前だけ頑張るのと同じ。壮大な一夜漬けです。

受験勉強では、長期間継続して時間を確保することが必要です。

夏休みは熱気に煽られ、誰もが勉強しようと意気込むでしょう。しかし、熱は必ず冷めます。ハチマキをして勉強を始めても、きっと我に返ったときハチマキをしている自分が滑稽に感じられると思います。

短期的なモチベーションに踊らされる受験生の問題点は、夏休みに頑張って勉強をすることが目的になっていることです。過程に意義を持たせる事は決して悪いことではありませんが、最も重要なのは結果です。受験を通して成長するのは結構ですが、本音では結果が欲しいでしょう。

ならば、勉強の目的を「志望校合格」とすることです。

当たり前じゃん、と思いますか?

定期テストレベルの話をしてみましょうか。

テスト前に一念発起して徹夜で勉強をした。
→それまで何してたの?

放課後学校に残ってみんなで有意義に勉強会をした。
→一人でやったほうがたくさん問題解けるでしょ。

テスト当日、朝4時に起きてから学校に行くまで集中して勉強をした。
→慣れないことするとテスト中眠くなっちゃうよ?

問題集をなんと1日で仕上げた。
→それまで何しt(略

暗記をするためにテストに出ることをまとめたノートを作り上げた。
→それ、ヤマ張ってるのと同じだよ。

心当たりがあるかもしれません。いずれも「勉強をすること」が目的です。
その最たるものが「スタバで勉強」でしょう。そこまでいくと馬鹿としか言いようがありませんが。

今までの無計画な勉強で溜まったツケを精算するために無理をする。「無理をしたこと=頑張った」という誤解をする。受験勉強で言うなら、3年の夏にツケを回してしまう。帳尻を合わせるために根を詰めて勉強をしたことが、いつの間にか「3年の夏は人生で一番頑張った」という思い出になるのでしょう。

厳しいことを言いましょう。夏から頑張っても遅いです。4月から始めている人とは勝負になりません。そこは既に決着が付いてしまいました。実質的なライバルは同じ時期から始めた一部の人たちに限られます。

まずはそういう人たちの誤解を解いておきたい。

夏は受験の天王山ではありません。夏だけで勝負が決まるわけではありません。
夏だけでは足りない、と言いたいのです。

夏は受験の登竜門である


登竜門とは、立身出世のための関門です。この関門を越えない限り、成功はない。それが夏の勉強だと思います。

今まで指導してきた生徒たちは、夏休みに目一杯勉強をしてきました。ある年の生徒たちは、お盆休みに毎日塾に来て一日中勉強していました。朝7時には来て、食事の時間には自宅へ戻り、再び塾に来て夜22時過ぎまで勉強する。このような生活を自発的にしていたのです。その期間中、私は仕事が休みです。彼らは自分で教室の鍵を持ち、自分たちで開け閉めをしていたのです。

彼らは信用に足る行動をしていました。だから鍵を預けることができたのです。私も二日に一度の割合で差し入れをしたり質問に答えたりするため教室に行きましたが、いつでも集中して勉強をしています。誰の目が無くとも、自分のやるべき事をこなしています。それがたまたま塾という場所だっただけです。

お盆休みだけでも、彼らの勉強時間は優に100時間以上。もちろん塾が開いている講習期間中もそのような生活を続けていたため、夏だけで300時間程度の勉強時間を確保していたことになります。

もちろん彼らは全員現役合格を果たし、巣立っていきました。

このように、成功する受験生はもれなく夏に自己ベストの勉強生活を過ごしているはずです。
夏に予定通りのカリキュラムをこなしていかないと、その後の勉強に支障が生じます。夏を経て、秋以降の勉強をさらに有意義にすることができる。そういう意味で、夏は受験の登竜門なのです。

夏は「持久力」を養う


マラソンの話をしているわけではありません。勉強を続ける「持久力」です。
50分勉強をしたら10分休憩を取る。それは小中学生までで終わりにして欲しいですね。受験勉強をしていれば、1つの事を数時間悩み続けることも多々あります(無い人は内容への落とし込みが浅すぎです)。また、大学受験は1科目60分以上がほとんどです。短期決戦のセンター試験ですら60分未満の科目はありません。

長時間連続して思考する事に慣れておかないといけません。テスト前の追い詰められた状況下で長時間勉強せざるを得ない状況なら、誰でもやるでしょう。受験はまだ半年先という余裕のある状態で、じっくりと腰を落ち着けて長い時間勉強ができるようにしておくと、質の高い勉強に取り組む事ができます。

2時間脇目も振らず暗記に取り組む。1問を1時間以上かけて最小限のヒントで解く。1文で4行もある長い英文の構造を捉え、より自然な日本語になるようじっくりと精読し、和訳する。いずれも余裕のある時間が必要です。さすがに秋も更け、点数的なプレッシャーの高まる中、地道な思考に身を投じている余裕はありません。それを可能にするのが、夏休みです。

朝から晩まで時間を使うことができます。勉強に打ち込む我が子を見た保護者からのサポートも期待できます。一度くらい「もう今日は勉強を終わりにしたら?」なんて保護者に言われてみたいと思いませんか?それくらい根をつめて連日勉強をするのが、夏の受験生です。

最初は朝から晩までどころか、昼過ぎには疲れてしまうでしょう。それは持久力が無いからです。そして、まだ勉強に「ハマる」感覚が無いからです。受験勉強を真剣に取り組んだ人は、勉強を苦だと捉えなくなる瞬間を必ず経験していると思います。まだ勉強をしていたい、もっと問題を解きたい、今ならまだまだ覚えられそうだ、そんなランナーズハイにも似た感覚が訪れるはずです。

このような経験を早い内にしておくことで、秋には「勉強せずにはいられない」状態を作り出せます。いつまで勉強を嫌なものと捉えているのでしょう。キツイのは最初だけ、継続が実力になり、持久力になり、そして勉強の魅力を感じることができるようになります。

学歴は努力のバロメータ


大学受験をする高校生は、当然学歴を手に入れるために大学を志すのでしょう。一般的には中学から受験が始まり、高校、大学と受験を積み重ねた結果が学歴です。

公立中学校から進学して高校へ行った高校生たちは、中学受験組と比べて受験経験が不足しています。近場の相洋中に進学した生徒と、公立中に進学した生徒を比較しても、勉強の上手さが違います。テスト前の持久力も違います。高偏差値の中学を受験した生徒はさらにレベルが上です。中1スタート時点での差は、悲しいかな比較するのもおこがましいほどのレベルです。

かたや週4~5回通塾の習慣があり、1日5時間以上の勉強を普通のものと感じている中学1年生。一方、中学生活に慣れるため塾に行かせるのも見送るような、勉強そのものに抵抗感のある中学1年生。極端な例では無く、これが現実です。

初の受験となった高校受験を乗り越え、高校に入ってからも勉強の量に大きな差が付きます。ウチの塾生は成績から見て、勉強している部類に入ると思いますが、平日の勉強量が小学生以下にすぎない高校生は、世間が想像するよりかなり多いのが実情です。計算ドリルとか漢字練習くらいしかしない小学生より勉強時間が少ない……入学時の学力を維持することすら困難だと思いますが、色々と大丈夫なんでしょうか。

私は中学受験を勧めるつもりは全くありません。ただ、積み上げた学習の質と量に大きな差があるのは事実です。

さて、皆が憧れる(かどうかは分かりませんが)大企業から見た場合はどうでしょう。ほぼ例外なく、努力を積み上げてきた方々です。彼らが学生を評価するとき、全ての能力や実績が数値化されていれば簡単ですが、そうではありません。目に見えるものは、「自分たちと同じように努力を積み重ねてきたかどうか」を示す「学校名」であり、「資格」です。

先行した中学受験組との勝負は、大学受験です。彼らは二歩も三歩も前を突き進んでいます。彼らが努力と思っていないレベルのことも、厳しい競争に慣れていない公立高校生にはハードルの高いことなのかもしれません。それでも、理屈をこねる前にやらないと話になりません。追いつくかどうか分かりませんが、追うしか方法はないのです。

そして、見事合格を勝ち取れば、その大学にふさわしい努力を積み重ねた証を得ることができます。そこまでの過程はどうあれ、入った大学が同じであれば、追いついたという事です。

進めば目的地は確実に近づく


大学を合格するには、その大学に応じて必要な努力値があると思って良いでしょう。合格に必要な得点を取るためにはどの程度の時間が必要なのか、途方も無いことでしょう。この夏は、受験生がくぐらなくてはならない登竜門です。どれだけ目標が遠くにあっても、前に進めば確実に近づきます。

持久力の不足している甘々な受験生に限界なんて言葉は不要。自分の限界まで勉強するといえば聞こえは良いですが、それはただのマイペースと言います。物差しは自分の限界ではなく、合格に必要な分量です。自分の目標の大学に合格するために、どれだけ勉強をしなければならないかを考え、これを日数で割ってやれば、一日に必要な勉強量が分かります。

それは、限りなく自分の自由時間を削って捻出しなければ到底足らない分量でしょう。今までたくさん遊んできたと思います。遊びたくなる盛り、とよく言いますが、そんなものは終わりました。大学を合格して得られるものと比較をして、今遊ぶことを選択するならそれも良いでしょう。それも自分の意志での選択ですし、それを抱えてこれからの人生を歩みましょう。

合格したい、が最優先なら、とりあえず机の目の前に「○○合格するぞ」とでも貼ってみてはどうでしょうか?
この夏に何を一番やりたいのか、自分で決めて自分で実行しましょう。


おまけ


オススメの勉強法を1つご紹介しましょう。

まずはハサミを用意します。

そのハサミで、スマホの充電器のケーブルを切りましょう。

はい、簡単ですね?

夏休みに他人と連絡が取れない状況になったら、勉強するしか無いじゃないですか。
そういう意味で、私は携帯電話が無い時代に生まれた幸運に感謝しています。
関連記事

高校生 大学受験

0 Comments

Leave a comment